マキノで働く人たち

渡辺匠TAKUMI WATANABE

株式会社牧野フライス製作所
生産本部 生産技術部 生産システム研究所

生産システム研究所に所属されていますが、どのようなお仕事なのでしょうか?

マキノではいろいろなアプローチで生産の効率化を図っていますが、私の所属している部署は今ある課題解決に取り組むというよりも、未来のものづくりはどうあるべきか?という将来に向けた研究に特化したセクションです。2017年1月に部署立ち上げのスタッフとして参加し、いまはロボットを使用しての生産システムの自働化研究に取り組んでいます。
現在、マキノの中でも特に機械加工の分野では自働化はかなり進んでいます。加工したいものを昼のうちにセットしておけば、あとは昼夜問わず自働で流れていきます。しかし、工作機械の組立に関してはそうではありません。大量生産のものづくりでは、ある程度自働化が進められていますが、工作機械の組立は反対に典型的な「多品種少量生産」です。加えて非常に高い精度が要求される。完全にクラフトマンシップの世界です。そのため、これまでは自働化は不可能と認識されていて、あまりフォーカスされていなかったんですね。ただ生産の効率化は世界的な趨勢であり、人がより高度で生産性の高い仕事に注力できるようにするためには、出来る部分だけでも組立を自働化することが避けられないと考えています。

「機械の組立」の自働化という難題に渡辺さんはロボットを使用することで解決すると...。

そうです。ただ、ロボットは1つの作業を繰り返し行うのには向いているのですが、状況に応じた臨機応変な判断はできません。そこが人間と異なるところ。柔軟性に富んだ人間の仕事をいかにロボットに行わせるか、あるいは人間とロボットの橋渡しをいかにスムーズに行うかが大きな課題となっています。それだけにたいへんな道のりですが、大きな使命感を持って仕事に挑んでいます。

まさにロボットが苦手とする部分を克服しなければならないのですね。解決策はあるのでしょうか?

そのためには人の五感にあたる機能をどう再現するかが重要だと考えています。例えば視覚。私は3Dカメラとロボットを使用したシステムの構築を行いました。ロボットは、平面上に整然と並んでいるものは認識できるのですが、ランダムなものを捉えるのはとても苦手です。例えば箱の中で縦になったり横になったり、あるいは斜めになったりと乱雑に放り込まれた部品を、ロボットアームがピックアップすることは非常に難しいわけです。
そこで解決策として、3Dカメラを用いて箱の中にあるワークの位置や傾きを測定し、この情報をコンピューターが分析することで、どれが取れそうか、取れないかを判断するシステムを構築しました。
ソフトが判断したものを、いかにハードとして落とし込んでいくかが高いハードルで、そのためのプログラムやシーケンスの構築、周辺装置の設計には苦労しました。社内で誰も経験のないことだったので困難も多かったのですが、その分実際に自分の構想したとおりにシステムが稼動した時の達成感は大きかったですね。
このシステムは一部を生産現場に導入しており、業務の効率化に繋がっています。もちろんこの経験は今の仕事にも活きています。現在の研究所では、この経験を応用して、より突き詰めたかたちでの自働化を目指しています。

そうなると、いずれ工作機械の現場は急速に自働化が進んで行くということなんですね?

今後日本は少子高齢化が進行し、労働人口も減少傾向です。しかしマキノのお客様は世界中にいらっしゃり、マーケットは拡大していきます。そういった意味では、いま携わっている仕事はこれからの生産システムのスタンダードになるべきものと思います。工作機械には「母性の原理」があり、すべてを自働化することはできません。人にしかできないより高度な仕事を人が担い、可能な作業はロボットが行う、人とロボットが共存するものづくりに向けて仕事を続けていきたいと思っています。

マキノの新しい課題に取り組む渡辺さんからマキノを目指す学生の方にメッセージをお願いします

好奇心旺盛な人、新しいことにチャレンジしたい人はぜひ、マキノの門を叩いて欲しいですね。当社には、そのような挑戦をバックアップしてくれるカルチャーがあります。私自身も、他社のどこでもやっていないことに取り組んでいるという自負がありますし、会社だけでなく機械業界や、広く社会にも貢献できる可能性も感じています。一緒に、何か面白いことをしてみませんか?

※掲載内容は2019年2月にインタビューしたものです。

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