恵まれた環境を活かし、
機械設計の道を究めたい
福元僚 RYO FUKUMOTO
2020年入社
理工学研究科 出身
株式会社牧野フライス製作所
開発本部 商品開発部2
横形マシニングセンタの
特殊設計やトラブル対応を担当
私は、2021年7月から商品開発部2 a1#50グループに配属されました。数ある商品の中でも、中型・大型の横形マシニングセンタ(a71nx、a81nx、a92、a120nxなど)のメカ設計を担当しています。メインとなる業務は、お客様の特殊仕様の設計やトラブル対応です。
マシニングセンタは、圧力計、流量計、分配弁、クーラントポンプなど、数多くの周辺機器が使われています。メーカーと直接やり取りすることも多く、知っておくべき情報は業界を越えて多岐にわたります。機械としての機能を満たすだけでなく、組立やメンテナンスの容易化など、つくる人、使う人の立場も考慮する必要があるため、学ぶ内容が豊富な仕事だと思います。
特に横形マシニングセンタはマキノの主力商品で、自分が入社する前から存在する製品ですから、その歴史を知ることから始まります。この部品がここについている、ここがこういう形状になっている……すべてに理由や役割や思想が存在しています。まず、それらの背景をきちんと学ぶことが求められます。その上で「どのように設計変更するか?」を考える必要があります。
知識の枝葉をいかに広げるか。
そこが一番難しく、
一番面白いところ
今年の11月から新機種検討担当というチームに移りました。過去に触れてこなかったユニットを担当することになり、既存知識と併せてイチから学び直しという感じです。今、感じているのは、設計の仕事は何かひとつの分野だけ知っていればいいわけではないということです。世の中にはどんな便利なものがあって、その部品はどのような工程を経て作られていて、油を使って、空気を使って、何をどうしようとしているのかといったことを、枝葉をたくさん広げて理解しないと設計はできないなと思います。そこが一番難しく、一番学び甲斐があると思いながら日々仕事をしています。
これまでを振り返って感じるのは、設計業務というものに対して入社当時は漠然と思っていたことが、だんだん詳細まで分かってきて「じゃあ、どうする?」ということを考えなければならない段階にいるということです。設計の仕事というのは「無知の知」の連続です。勉強すればするほど、知らないことや新たに勉強するべき箇所が見えてくる。終わりは無く、どこを着地点とするのか、諸先輩方は日々悩まれていると思います。
先輩方は優しい人ばかりなので、質問すれば快く対応してくれます。でも、最終的には“自分”がどう思うか、“自分”がどうしたいかが大事です。先輩方もそれを分かっているので、「あくまで自分はこう思うけど……」というアドバイスをされます。頂いたアドバイスを踏まえて、自分がどう思うか、自分はどうしたいのか。「自分」を主語にして業務を進めていくことが大切だと思うようになりました。自分の思想をどう機械に落とし込んでいくか。それが設計の仕事なのかなと思います。
「設計者は設計だけするな」。
その意味を痛感した印象的な出来事
設計の仕事でとても印象に残っているのは、初めてお客様のトラブル対応をしたときのことですね。トラブルが起きた場合、基本的にはお客様と密接に関わっているサービス部門が対応してくれますが、解決できないときは開発部の人間もお客様の工場へ出向いて調査することがあります。そのときは私の経験の浅さもあって、原因を突き止めるまで時間がかかりました。実験機を使用して社内検証を重ね、起きているトラブルと同じ状況を再現、そこから対策案を検討し、制御やソフトなど他のチームと連携するなど、長い道のりを経て無事にトラブルを解決することができました。
先輩方がよく言われるのは、「設計者は設計だけするな」ということです。お客様の工場へ足を運び、自分たちがつくっている機械がどういう使われ方をしていて、使っている人はどういう思いで使っているのか。どこがよいと思っていて、どこが悪いと思っているのか。肌で感じることの大切さがよく分かりました。嬉しかったのは、私がトラブル対応をした同じお客様から新規受注を頂いたことです。今思い返しても大変でしたが、私が関わった仕事が役に立ったのかも、と実感することができました。
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